第04章 呼吸器疾患 / C. 拘束性呼吸器疾患
1 / 3
Question
問題 337 特発性肺線維症について正しいのはどれか。
  1. 1炎症の主体は肺胞である。不正解
  2. 2主症状は湿性咳嗽である。不正解
  3. 3閉塞性換気障害をきたす。不正解
  4. 4間質性肺炎に分類される。正解!
Explanation
解説
1. [誤り]特発性肺線維症では炎症の主体は肺胞隔壁(間質)であり、肺胞腔内ではない。 肺胞腔内の炎症が主体となるのは細菌性肺炎などの肺胞性肺炎であり、間質性肺炎とは病変部位が根本的に異なる。
2. [誤り]特発性肺線維症の主症状は乾性咳嗽と労作時呼吸困難であり、湿性咳嗽ではない。 肺胞隔壁の線維化による刺激で生じる咳であるため、痰を伴わない乾いた咳が特徴である。
3. [誤り]特発性肺線維症では拘束性換気障害をきたすのであり、閉塞性換気障害ではない。 肺の線維化によりコンプライアンスが低下して肺活量が減少するが、気道の閉塞は生じないため1秒率は保たれる。 閉塞性換気障害はCOPD(肺気腫・慢性気管支炎)や気管支喘息でみられる病態である。
4. [正解]特発性肺線維症は間質性肺炎の一部に含まれる疾患である。 間質性肺炎とは肺胞隔壁(間質)に炎症・線維化をきたす疾患群であり、特発性肺線維症はその中の通常型間質性肺炎(UIP)に相当する。 病理学的に蜂巣肺(蜂の巣状の変化)が特徴的所見であり、60歳代の男性にやや多い。 | 項目 | 肺胞性肺炎 | 間質性肺炎(特発性肺線維症) | |:---|:---|:---| | 病変部位 | 肺胞腔内 | 肺胞隔壁(間質) | | 原因 | 細菌感染が主 | 原因不明(特発性) | | 経過 | 急性 | 慢性・進行性 | | 咳嗽 | 湿性(膿性痰) | 乾性(痰なし) | | 換気障害 | なし(重症時のみ) | 拘束性換気障害 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 肺胞性肺炎と間質性肺炎の比較</p>
Key Points
ポイント
  • 特発性肺線維症は間質性肺炎に分類される疾患であり、肺胞腔内の感染症である肺胞性肺炎とは全く異なる。炎症の主体は肺胞隔壁(間質)であり、拘束性換気障害を呈する。
  • 乾性咳嗽と労作時呼吸困難が主症状であり、聴診でベルクロラ音(fine crackles)が聴取される。
  • 重要用語: 特発性肺線維症, 間質性肺炎, 肺胞隔壁, 蜂巣肺, 通常型間質性肺炎 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶