1. [誤り]特発性肺線維症でみられる咳嗽は乾性咳嗽であり、湿性咳嗽ではない。
肺胞隔壁の線維化による刺激が原因であり、気道分泌物の増加を伴わないため痰を伴わない乾いた咳が特徴である。
2. [誤り]樽状胸は肺気腫(COPD)における肺の過膨脹により前後径が増大した所見であり、特発性肺線維症ではみられない。
特発性肺線維症では肺が線維化により縮小する方向の変化をきたすため、過膨脹とは逆の病態である。
3. [正解]特発性肺線維症では肺胞隔壁の線維化により肺のコンプライアンス(柔らかさ)が低下し、肺が十分に膨らまなくなる。
その結果、肺活量が低下し、拘束性換気障害を呈する。
肺機能検査では%肺活量の低下と拡散能(DLco)の低下が特徴的所見であり、1秒率は保たれるかむしろ上昇する。
4. [誤り]特発性肺線維症は5年間で約半数が呼吸不全にて死亡する予後不良な疾患である。
肺の線維化は不可逆的に進行し、根本的な治療法は確立されていない。
| 項目 | 特発性肺線維症 | 肺気腫(COPD) |
|:---|:---|:---|
| 咳嗽の性状 | 乾性咳嗽 | 湿性咳嗽(痰を伴う) |
| 胸郭所見 | 正常~縮小 | 樽状胸(過膨脹) |
| 換気障害 | 拘束性(肺活量低下) | 閉塞性(1秒率低下) |
| 予後 | 不良(5年生存率約50%) | 緩徐に進行 |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 特発性肺線維症と肺気腫の比較</p>