1. [正解]急性虫垂炎の初期には内臓痛として心窩部痛や臍周囲痛がみられる。
これは虫垂の炎症による痛覚が内臓神経(自律神経)を介してT10レベルに伝わるためである。
炎症が進行して壁側腹膜に波及すると、体性痛として右下腹部(マックバーネー点)に限局した痛みに変化する。
この痛みの移動が急性虫垂炎の特徴的な経過である。
2. [誤り]左下腹部痛はS状結腸の疾患(S状結腸憩室炎など)でみられる痛みである。
虫垂は右下腹部に位置するため、虫垂炎で左下腹部痛がみられることはない。
3. [誤り]右上背部痛は胆石症や右腎疾患でみられることがあり、虫垂炎の初期症状ではない。
背部痛が主体となるのは膵臓疾患や腎疾患である。
4. [誤り]右季肋部痛は胆嚢炎や胆石症でみられる痛みであり、虫垂炎の初期症状ではない。
右季肋部には胆嚢が位置しており、虫垂とは解剖学的位置が異なる。