第03章 肝・胆・膵疾患 / A. 肝臓疾患
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Question
問題 216 「50歳の男性。大酒家である。軽度の意識障害で受診した。眼球の黄染、胸部のクモ状血管拡張と著明な腹水がみられた。また、上肢の不規則な運動が認められた。」本疾患でよくみられる合併症はどれか。
  1. 1大動脈瘤不正解
  2. 2食道静脈瘤正解!
  3. 3マロリー・ワイス症候群不正解
  4. 4大腸憩室炎不正解
Explanation
解説
1. [誤り]大動脈瘤は動脈硬化、高血圧、結合組織疾患(マルファン症候群など)が原因で発生する。 肝硬変の合併症ではなく、血管疾患に分類される。
2. [正解]肝硬変では門脈圧亢進により、門脈血の側副血行路として食道粘膜下の静脈が拡張し、食道静脈瘤が形成される。 食道静脈瘤の破裂は大量吐血をきたし、肝硬変の3大死因(消化管出血、肝細胞癌、肝不全)の一つである。 破裂時にはゼングスターケン-ブレークモア管による圧迫止血や、内視鏡下での硬化術・結紮術が行われる。
3. [誤り]マロリー・ワイス症候群は激しい嘔吐による食道胃接合部の粘膜裂傷であり、肝硬変の典型的合併症ではない。 飲酒後の激しい嘔吐が原因となることが多く、肝硬変とは病態が異なる。
4. [誤り]大腸憩室炎は大腸壁の脆弱部に憩室が形成され炎症が起こる疾患である。 食物繊維の不足や加齢が原因であり、肝硬変との直接的関連はない。 | 肝硬変の合併症 | 機序 | 対応 | |:---|:---|:---| | 食道静脈瘤 | 門脈圧亢進→側副血行路拡張 | 硬化術、結紮術 | | 腹水 | 門脈圧亢進+低アルブミン血症 | 利尿薬、塩分制限 | | 肝性脳症 | アンモニア代謝低下 | ラクチュロース、低たんぱく食 | | 肝細胞癌 | 慢性炎症→発癌 | AFP定期測定、超音波検査 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 肝硬変の主要合併症</p>
Key Points
ポイント
  • 肝硬変では門脈圧亢進症により食道静脈瘤が形成される。食道静脈瘤破裂は致死的な大出血をきたしうる重要な合併症であり、肝硬変の3大死因の一つ(消化管出血)に該当する。
  • 食道静脈瘤の治療には内視鏡的硬化療法(EIS)や内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)が行われ、緊急時にはゼングスターケン-ブレークモア管が使用される。
  • 重要用語: 食道静脈瘤, 門脈圧亢進, 肝硬変の3大死因 を正確に理解しておくこと。
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