第03章 肝・胆・膵疾患 / A. 肝臓疾患
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Question
問題 215 「50歳の男性。大酒家である。軽度の意識障害で受診した。眼球の黄染、胸部のクモ状血管拡張と著明な腹水がみられた。また、上肢の不規則な運動が認められた。」本症例でみられる上肢の所見はどれか。
  1. 1けいれん不正解
  2. 2バリスム不正解
  3. 3アテトーゼ不正解
  4. 4振戦正解!
Explanation
解説
1. [誤り]けいれんはてんかんなどの脳の異常興奮による不随意運動であり、肝性脳症の特徴的所見ではない。 肝性脳症で重度の場合にけいれんが出ることもあるが、本症例で問われる「上肢の不規則な運動」とは異なる。
2. [誤り]バリスムは視床下核の障害により生じる粗大な四肢の投げ出し運動である。 脳血管障害で視床下核が損傷された場合にみられ、肝硬変の肝性脳症とは無関係である。
3. [誤り]アテトーゼは大脳基底核障害による緩徐なくねるような不随意運動である。 脳性麻痺などでみられる運動障害であり、肝性脳症の所見ではない。
4. [正解]本症例は肝性脳症を伴う肝硬変であり、上肢の不規則な運動は羽ばたき振戦(フラッピング振戦)である。 両上肢を前方に伸展し、手関節を背屈させると、手首が不規則にパタパタと動くのが特徴である。 羽ばたき振戦は肝性脳症の初期〜中等度で出現する代表的所見であり、血中アンモニア値の上昇と関連する。
Key Points
ポイント
  • 大酒家の意識障害・黄疸・クモ状血管拡張・腹水はアルコール性肝硬変の非代償期を示唆する。肝性脳症の徴候として羽ばたき振戦(フラッピング振戦)、昼夜逆転、失見当識が重要である。
  • 羽ばたき振戦は肝性脳症に特徴的であるが、CO2ナルコーシスや尿毒症でもみられることがある。バリスムやアテトーゼなど他の不随意運動との鑑別を押さえておくこと。
  • 重要用語: 羽ばたき振戦, 肝性脳症, 血中アンモニア を正確に理解しておくこと。
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