1. [誤り]けいれんはてんかんなどの脳の異常興奮による不随意運動であり、肝性脳症の特徴的所見ではない。
肝性脳症で重度の場合にけいれんが出ることもあるが、本症例で問われる「上肢の不規則な運動」とは異なる。
2. [誤り]バリスムは視床下核の障害により生じる粗大な四肢の投げ出し運動である。
脳血管障害で視床下核が損傷された場合にみられ、肝硬変の肝性脳症とは無関係である。
3. [誤り]アテトーゼは大脳基底核障害による緩徐なくねるような不随意運動である。
脳性麻痺などでみられる運動障害であり、肝性脳症の所見ではない。
4. [正解]本症例は肝性脳症を伴う肝硬変であり、上肢の不規則な運動は羽ばたき振戦(フラッピング振戦)である。
両上肢を前方に伸展し、手関節を背屈させると、手首が不規則にパタパタと動くのが特徴である。
羽ばたき振戦は肝性脳症の初期〜中等度で出現する代表的所見であり、血中アンモニア値の上昇と関連する。