第03章 肝・胆・膵疾患 / A. 肝臓疾患
1 / 3
Question
問題 203 臍部から放射状に走る腹壁静脈怒張をきたすのはどれか。
  1. 1肝硬変正解!
  2. 2下大静脈血栓症不正解
  3. 3臍ヘルニア不正解
  4. 4急性膵炎不正解
Explanation
解説
1. [正解]肝硬変では門脈圧亢進により側副血行路が発達し、臍部から放射状に走る腹壁静脈怒張がみられる。この所見は「メデューサの頭(caput medusae)」と呼ばれ、ギリシャ神話のメデューサの髪が蛇であったことに由来する。門脈血が臍静脈(胎生期の遺残)を経由して腹壁の上下腹壁静脈に流入することで生じる。
2. [誤り]下大静脈血栓症では下肢の浮腫や側副血行路の発達がみられるが、臍部から放射状に走る特徴的なパターンは呈さない。下大静脈の閉塞により腹壁静脈が発達することはあるが、臍部を中心とした放射状ではなく、主に側腹部に縦走する静脈怒張として認められる。
3. [誤り]臍ヘルニアは臍部の腹壁欠損により腹腔内容(腸管など)が臍部から突出する病態であり、静脈怒張とは無関係である。乳幼児に多く、立位や腹圧上昇時に臍部の膨隆として認められる。成人では臍ヘルニアは比較的まれである。
4. [誤り]急性膵炎の主症状は激しい上腹部痛・背部痛、悪心・嘔吐であり、腹壁静脈怒張は特徴的所見ではない。重症例では膵周囲の出血により側腹部に皮下出血斑(Grey-Turner徴候)や臍周囲の皮下出血斑(Cullen徴候)がみられることがある。
Key Points
ポイント
  • メデューサの頭(caput medusae)は肝硬変の門脈圧亢進症の特徴的所見
  • 臍静脈を介した側副血行路により臍部から放射状の静脈怒張が生じる
  • その他の門脈圧亢進症の所見:食道静脈瘤、脾腫、痔核、腹水
  • 重要用語: メデューサの頭、門脈圧亢進症、側副血行路、臍静脈 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶