1. [正解]肝硬変では門脈圧亢進により側副血行路が発達し、臍部から放射状に走る腹壁静脈怒張がみられる。この所見は「メデューサの頭(caput medusae)」と呼ばれ、ギリシャ神話のメデューサの髪が蛇であったことに由来する。門脈血が臍静脈(胎生期の遺残)を経由して腹壁の上下腹壁静脈に流入することで生じる。
2. [誤り]下大静脈血栓症では下肢の浮腫や側副血行路の発達がみられるが、臍部から放射状に走る特徴的なパターンは呈さない。下大静脈の閉塞により腹壁静脈が発達することはあるが、臍部を中心とした放射状ではなく、主に側腹部に縦走する静脈怒張として認められる。
3. [誤り]臍ヘルニアは臍部の腹壁欠損により腹腔内容(腸管など)が臍部から突出する病態であり、静脈怒張とは無関係である。乳幼児に多く、立位や腹圧上昇時に臍部の膨隆として認められる。成人では臍ヘルニアは比較的まれである。
4. [誤り]急性膵炎の主症状は激しい上腹部痛・背部痛、悪心・嘔吐であり、腹壁静脈怒張は特徴的所見ではない。重症例では膵周囲の出血により側腹部に皮下出血斑(Grey-Turner徴候)や臍周囲の皮下出血斑(Cullen徴候)がみられることがある。