第02章 消化管疾患 / D. 腸疾患
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Question
問題 175 大腸癌の危険因子でないのはどれか。
  1. 1食物繊維摂取正解!
  2. 2大腸腺腫不正解
  3. 3潰瘍性大腸炎不正解
  4. 4胆嚢切除不正解
Explanation
解説
1. [正解]食物繊維摂取は大腸癌の危険因子ではなく、むしろ大腸癌のリスクを低減する保護因子とされる。食物繊維は便容量を増加させ、腸管通過時間を短縮することで、発癌物質と大腸粘膜の接触時間を減少させる。また、腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生を促進し、大腸粘膜の健康維持に寄与する。野菜・果物・全粒穀物の摂取が推奨される。
2. [誤り]大腸腺腫(腺腫性ポリープ)は大腸癌の前癌病変であり、重要な危険因子である。腺腫→癌の連続(adenoma-carcinoma sequence)として、腺腫が徐々に異型度を増して癌化する過程が知られている。大腸内視鏡検査で腺腫を発見した場合は、癌化を防ぐために切除することが基本である。
3. [誤り]潰瘍性大腸炎は長期経過例で大腸癌のリスクが上昇する危険因子である。発症後10年以上経過し、特に全大腸炎型では癌化率が高まることが報告されている。長期にわたる慢性炎症により異型上皮が出現し、大腸癌に進展する。定期的なサーベイランス内視鏡が必要である。
4. [誤り]胆嚢切除は胆汁酸の代謝変化をきたし、大腸癌のリスク因子として報告されている。胆嚢切除後は胆汁が持続的に腸管に流入し、二次胆汁酸の産生が増加する。二次胆汁酸(デオキシコール酸など)は大腸粘膜に対する発癌プロモーターとして作用すると考えられている。
Key Points
ポイント
  • 大腸癌の危険因子:高脂肪食、赤肉・加工肉、肥満、飲酒、喫煙、大腸腺腫、潰瘍性大腸炎、胆嚢切除
  • 大腸癌の保護因子:食物繊維、野菜・果物、運動、アスピリン(一部)
  • Adenoma-carcinoma sequence:大腸腺腫から大腸癌への多段階発癌
  • 重要用語: 食物繊維(保護因子)、大腸腺腫、adenoma-carcinoma sequence を正確に理解しておくこと。
因子分類機序
食物繊維保護因子腸管通過時間短縮、短鎖脂肪酸産生
大腸腺腫危険因子前癌病変(adenoma-carcinoma sequence)
潰瘍性大腸炎危険因子慢性炎症による異型上皮の出現
胆嚢切除危険因子二次胆汁酸の増加
高脂肪食危険因子胆汁酸分泌増加
赤肉・加工肉危険因子ヘム鉄、ニトロソ化合物
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