1. [正解]食物繊維摂取は大腸癌の危険因子ではなく、むしろ大腸癌のリスクを低減する保護因子とされる。食物繊維は便容量を増加させ、腸管通過時間を短縮することで、発癌物質と大腸粘膜の接触時間を減少させる。また、腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生を促進し、大腸粘膜の健康維持に寄与する。野菜・果物・全粒穀物の摂取が推奨される。
2. [誤り]大腸腺腫(腺腫性ポリープ)は大腸癌の前癌病変であり、重要な危険因子である。腺腫→癌の連続(adenoma-carcinoma sequence)として、腺腫が徐々に異型度を増して癌化する過程が知られている。大腸内視鏡検査で腺腫を発見した場合は、癌化を防ぐために切除することが基本である。
3. [誤り]潰瘍性大腸炎は長期経過例で大腸癌のリスクが上昇する危険因子である。発症後10年以上経過し、特に全大腸炎型では癌化率が高まることが報告されている。長期にわたる慢性炎症により異型上皮が出現し、大腸癌に進展する。定期的なサーベイランス内視鏡が必要である。
4. [誤り]胆嚢切除は胆汁酸の代謝変化をきたし、大腸癌のリスク因子として報告されている。胆嚢切除後は胆汁が持続的に腸管に流入し、二次胆汁酸の産生が増加する。二次胆汁酸(デオキシコール酸など)は大腸粘膜に対する発癌プロモーターとして作用すると考えられている。