1. [誤り]過敏性腸症候群は器質的病変を伴わない機能性疾患であり、痔瘻を合併することは特徴的ではない。教科書にも腸管に器質的異常がないことが記載されており、組織の破壊を伴う瘻孔形成は生じない。
2. [誤り]急性細菌性腸炎は一過性の感染症であり、急性の経過で治癒するため痔瘻を合併することはまれである。教科書にも「予後は良好であり、自然治癒することが多い」と記載されている。
3. [誤り]潰瘍性大腸炎は大腸粘膜・粘膜下層に限局するびまん性炎症であり、全層性の炎症を起こさないため瘻孔・痔瘻の形成は特徴的ではない。痔瘻はクローン病との鑑別に重要なポイントである。
4. [正解]クローン病は痔瘻を合併しやすい。教科書にも「消化管壁の全層の炎症を起こす」「腸管の狭窄や瘻孔(とくに痔瘻)をつくることがある」と明記されている。クローン病では消化管壁の全層に炎症が及ぶため、腸管壁を貫通する瘻孔が形成されやすく、肛門周囲の痔瘻は特に高頻度にみられる。痔瘻がクローン病の初発症状となることもある。