1. [誤り]潰瘍性大腸炎は直腸から連続性に口側(大腸の上行方向)へ広がる疾患であり、回盲部に好発するわけではない。直腸炎型の頻度が最も高く、左側大腸炎型、全大腸炎型の順に多い。回盲部に好発するのはクローン病の特徴である。クローン病は回腸末端から大腸に好発し、非連続性病変(skip lesion)を形成する。
2. [誤り]潰瘍性大腸炎の下痢は粘血便・膿性便が特徴であり、大量の水様性下痢ではない。大腸粘膜のびらん・潰瘍から出血するため、血液や粘液を含んだ下痢となる。大量の水様性下痢はコレラなどの感染性腸炎や分泌性下痢の特徴である。
3. [誤り]潰瘍性大腸炎の発症には遺伝的素因の関与が示唆されているが、明確な家族性発症パターンは確立されていない。多因子疾患と考えられており、環境要因と遺伝的要因の両方が関与すると推定されている。家族性大腸腺腫症(FAP)のような明確な遺伝形式はない。
4. [正解]潰瘍性大腸炎は長期罹患により大腸癌の重要な危険因子となる。全大腸炎型では発症後10年以上経過すると癌化率が高くなることが報告されている。長期にわたる慢性炎症により異型上皮が出現し、癌化に至る。定期的なサーベイランス内視鏡検査が推奨される。