1. [誤り]胃酸(塩酸)は胃粘膜を直接障害する最も重要な攻撃因子である。胃酸とペプシンの消化作用により粘膜が障害され、防御因子とのバランスが崩れると潰瘍が形成される。プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬による胃酸分泌抑制が治療の基本となる。
2. [正解]胆汁は肝臓で産生され胆嚢に貯蔵された後、十二指腸に分泌される消化液である。脂肪の乳化・消化に関与するが、通常は胃内には流入せず、胃潰瘍の直接的発症因子とはなりにくい。ただし、胃切除後のビルロートII法術後などでは胆汁が胃内に逆流し、胆汁性胃炎を起こすことがある。
3. [誤り]ヘリコバクター・ピロリ菌は胃粘膜に感染して慢性炎症を惹起し、粘膜防御機構を低下させることで胃潰瘍の主要な原因となる。胃・十二指腸潰瘍患者の70〜90%に感染が認められる。除菌により早期治癒と再発防止が可能である。
4. [誤り]NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬:消炎鎮痛薬)はプロスタグランジン合成を阻害することにより、粘液分泌低下・粘膜血流低下を引き起こし、粘膜防御機能を低下させて潰瘍を誘発する。長期服用者では胃潰瘍のリスクが高まる。