1. [誤り]消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)の疼痛は心窩部(上腹部)に生じるのが典型的であり、下腹部痛ではない。胃・十二指腸は上腹部に位置するため、内臓痛として心窩部に疼痛が出現する。下腹部痛は大腸疾患や婦人科疾患で生じる。
2. [正解]消化性潰瘍の発症にはストレスが重要な原因となる。精神的・身体的ストレスにより胃酸分泌が亢進し、粘膜防御機構とのバランスが崩れて潰瘍が形成される。攻撃因子(胃酸、ペプシン)と防御因子(粘液、重炭酸イオン、粘膜血流)のバランス破綻が病態の本質である。ヘリコバクター・ピロリ菌感染やNSAIDsも主要な原因である。
3. [誤り]X線造影検査で消化性潰瘍はニッシェ(niche)を呈する。ニッシェとは潰瘍部にバリウムが貯留して壁外性突出像として観察される所見である。陰影欠損像は胃癌などの腫瘍性病変がバリウムを置換して陰影として認められる所見であり、潰瘍とは逆の所見である。
4. [誤り]本問の出題当時(1993年)の治療はH2受容体拮抗薬や制酸薬が主体であり、抗生物質は主要な治療薬ではなかった。ただし、現在ではヘリコバクター・ピロリ菌感染例に対して、プロトンポンプ阻害薬と2種類の抗生物質(クラリスロマイシン、アモキシリン)による除菌療法が標準治療となっている。