第01章 感染症 / B. 細菌感染症
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Question
問題 14 創傷感染症について正しい記述はどれか。
  1. 1せつ、ようの原因は連鎖球菌が多い。不正解
  2. 2ひょう疽は四肢の慢性炎症をいう。不正解
  3. 3蜂巣織炎とは筋肉の感染症である。不正解
  4. 4破傷風菌の毒素は中枢神経を障害する。正解!
Explanation
解説
1. [誤り]せつ(癤)・よう(癰)の原因菌は黄色ブドウ球菌が最も多く、連鎖球菌ではない。せつは1個の毛包とその周囲組織の化膿性炎症で、癰は複数のせつが融合して深部に及んだ重症型である。ブドウ球菌による毛包を中心とした感染症である。
2. [誤り]ひょう疽(瘭疽)は指先・爪周囲の急性化膿性炎症であり、四肢の慢性炎症ではない。爪周囲の小外傷から黄色ブドウ球菌が侵入し、発赤・腫脹・激しい疼痛・膿瘍形成を起こす急性疾患である。
3. [誤り]蜂巣織炎(蜂窩織炎)は皮下組織のびまん性細菌感染症であり、筋肉の感染症ではない。真皮から皮下脂肪組織にかけての急性化膿性炎症で、黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌が原因菌となる。境界不明瞭な発赤・腫脹・熱感・疼痛を呈する。
4. [正解]破傷風菌はテタノスパスミンという外毒素を産生し、これが神経行性に中枢神経系(脊髄)に到達して障害する。テタノスパスミンは脊髄前角の抑制性介在ニューロン(レンショウ細胞)を障害し、γ運動ニューロンの抑制が解除されることで、痙性麻痺・開口障害(牙関緊急)・顔面筋の痙攣(痙笑)・全身の強直性痙攣(後弓反張)を引き起こす。中枢神経系に作用する強力な神経毒である。
Key Points
ポイント
  • 破傷風菌の外毒素(テタノスパスミン)は中枢神経系を障害し、抑制性神経伝達を阻害する
  • せつ・癰の原因菌はブドウ球菌(連鎖球菌ではない)
  • ひょう疽は指先の急性化膿性炎症(四肢の慢性炎症ではない)
  • 蜂巣織炎は皮下組織のびまん性感染(筋肉ではない)
  • 重要用語: 破傷風、テタノスパスミン、中枢神経障害、ブドウ球菌、蜂窩織炎 を正確に理解しておくこと。
疾患原因菌病変部位特徴
せつ(癤)黄色ブドウ球菌1個の毛包限局性膿瘍
よう(癰)黄色ブドウ球菌複数毛包せつの集簇、深部感染
ひょう疽(瘭疽)黄色ブドウ球菌指先・爪周囲急性、激しい疼痛
蜂巣織炎(蜂窩織炎)ブドウ球菌、連鎖球菌皮下組織びまん性、境界不明瞭
破傷風破傷風菌創傷(外毒素で中枢神経障害)痙性麻痺、牙関緊急
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