第01章 感染症 / A. 総論
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Question
問題 9 抗酸菌感染症について正しいのはどれか。
  1. 1肺結核の主な感染経路は飛沫感染である。不正解
  2. 2我が国の2022年の結核新規発症患者数は1,000人以下である。不正解
  3. 3非結核性抗酸菌は人から人に感染する。不正解
  4. 4非結核性抗酸菌症は難治性である。正解!
Explanation
解説
1. [誤り]肺結核の主な感染経路は空気感染(飛沫核感染)であり、飛沫感染ではない。結核菌は直径5μm以下の飛沫核として空気中を長時間浮遊し、それを吸入することで感染する。飛沫感染(直径5μm以上の飛沫による感染)とは異なり、同じ空間にいるだけで感染しうる。
2. [誤り]我が国の2022年の結核新規発症患者数は約1万人であり、1,000人以下ではない。減少傾向にあるものの依然として低蔓延国の基準(人口10万対10人未満)には達していない。高齢者を中心に新規発症が続いている。
3. [誤り]非結核性抗酸菌(NTM)は人から人に感染しない。土壌や水系環境中に広く存在し、環境から感染する。結核菌とは異なり人人感染はないため、患者の隔離は不要である。浴室、土壌、水道水などが感染源となる。
4. [正解]非結核性抗酸菌症は難治性である。非結核性抗酸菌(NTM)は結核菌に比べて薬剤感受性が低く、多剤併用療法(クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトールなど)を1〜2年以上の長期間行っても完治が困難である。MAC(Mycobacterium avium complex)症が最も多く、中年女性に好発する。慢性の咳嗽・喀痰が症状で、画像所見では小結節影や気管支拡張を認める。
Key Points
ポイント
  • 結核は空気感染(飛沫核感染)で人から人へ感染するが、非結核性抗酸菌症は環境感染で人人感染しない
  • 結核は依然として年間約1万人が新規発症し、公衆衛生上の課題である
  • 非結核性抗酸菌症(特にMAC症)は難治性で、長期の多剤併用療法を要するが完治困難
  • MAC症は中年女性に好発し、慢性咳嗽・喀痰、小結節影・気管支拡張が特徴
  • 重要用語: 空気感染、非結核性抗酸菌、MAC症、難治性 を正確に理解しておくこと。
項目結核非結核性抗酸菌症(MAC症)
原因菌結核菌(M.tuberculosis)M.avium、M.intracellulare など
感染経路空気感染(人→人)環境感染(人人感染なし)
好発年齢・性別高齢者中年女性
治療多剤併用6ヵ月(完治可)多剤併用1〜2年以上(難治性)
届出必要(二類感染症)不要
隔離必要不要
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