1. [誤り]せん妄は高齢者に多く、若年者に多い疾患ではない。加齢による脳の脆弱性が背景にあり、認知機能低下、感覚器障害、多剤併用などが危険因子となる。高齢者、特に術後患者や入院患者に多発する。若年者では薬物中毒やアルコール離脱時などに限定される。
2. [正解]せん妄は通常一過性の意識障害である。原因(感染症・手術侵襲・薬剤・電解質異常・脱水・低酸素など)が除去されれば数日〜数週間で回復する。急性の注意力・意識レベルの変動が特徴であり、認知症のような慢性・進行性の経過とは異なる。可逆性であることが認知症との重要な鑑別点である。
3. [誤り]せん妄は夜間に好発する(日中ではない)。日没症候群(サンダウニング)とも関連し、夕方〜夜間に症状が増悪する。夜間の暗さや静けさ、疲労の蓄積、概日リズムの乱れなどが要因となる。
4. [誤り]睡眠薬(特にベンゾジアゼピン系)はせん妄を悪化させる可能性があるため、治療には用いない。原因の除去と環境調整(明るい環境、時計・カレンダーの設置、家族の付き添いなど)が基本である。症状が激しい場合には抗精神病薬(ハロペリドールなど)を少量使用することがあるが、睡眠薬は禁忌である。