1. [誤り]全身の冷却は低体温を招くリスクがあり、広範囲熱傷では不適切である。局所の冷却(範囲が狭い場合の水道水冷却)は初期応急処置として有効だが、広範囲熱傷では体温低下により全身状態が悪化する。広範囲熱傷では保温が重要である。
2. [誤り]頭部の挙上は熱傷の初期治療として特に重要ではない。ショック状態では下肢挙上により静脈還流を増やすことはあるが、頭部挙上は熱傷治療の標準的手技ではない。むしろ循環血液量の確保が最優先される。
3. [正解]重症熱傷の初期治療で最も重要なのは輸液である。教科書には「広範囲熱傷の場合で、しかるべき医療機関に搬送する時間が30分以上を見こまれる場合にはショックを避けるために早期に点滴路を確保して輸液をスタートするべきである」「広範囲熱傷では全身管理が大切である。十分な点滴と新鮮凍結血漿(FFP)、ヘスパンダー、低分子デキストランなどの輸液を要する」と明記されている。熱傷により血管透過性が亢進し、大量の血漿成分が漏出するため、循環血液量を維持するために速やかな輸液が必要である。
4. [誤り]初期には輸血よりも輸液が優先される。熱傷では血管透過性亢進による血漿成分の喪失が主であり、赤血球の喪失は少ない。したがって、まずは輸液(細胞外液補充剤、膠質液)により循環血液量を維持することが最優先である。輸血は貧血が高度な場合や出血を伴う場合に考慮される。