1. [誤り]上腕骨外科頸骨折は肩関節近位部(上腕骨の外科頸)の骨折であり、高齢者の転倒で好発する。
肘部の変形は生じず、受傷部位も機序も本症例と一致しない。
2. [誤り]上腕骨骨幹部骨折は上腕の中央部の骨折であり、橈骨神経麻痺(下垂手)を合併しやすい。
肘部の変形は生じず、示指・中指のしびれ(正中神経領域)とは合致しない。
3. [正解]本症例は3歳の小児が転倒時に手をつき肘過伸展を強いられて受傷しており、上腕骨顆上骨折が最も考えられる。
上腕骨顆上骨折は小児の肘関節周囲骨折で最も頻度が高く、転倒時に手をついて肘が過伸展されることで受傷する。肘部変形・腫脹・皮下出血が特徴的である。
示指・中指のしびれは正中神経の圧迫を示唆し、上腕骨顆上骨折では正中神経や上腕動脈の損傷に注意が必要である(フォルクマン拘縮の原因)。
4. [誤り]上腕骨外顆骨折は小児に生じうるが、顆上骨折に比べて頻度はかなり低い。
外顆骨折後の後遺症としては外反肘→遅発性尺骨神経麻痺が特徴的であるが、急性期の所見としては本症例に合致しない。