第11章 神経疾患 / F. 認知症
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Question
問題 1099 「69歳の女性。10年前から高血圧症にて内服加療中。時々右上下肢のしびれを自覚していたが、最近物忘れがひどくなってきた。また、わけもなく泣いたりすることも多い。物忘れが多いわりに判断力は保たれている。」最も考えられるのはどれか。
  1. 1アルツハイマー病不正解
  2. 2脳血管性認知症正解!
  3. 3ピック病不正解
  4. 4プリオン病不正解
Explanation
解説
1. [誤り]アルツハイマー病は緩徐進行性の記憶障害で始まり、初期から見当識障害や判断力低下がみられる。 本症例のように判断力が比較的保たれる「まだら認知症」のパターンはとらない。高血圧や局所神経症状との関連も乏しい。
2. [正解]69歳女性で10年来の高血圧症があり、右上下肢のしびれ(局所神経症状=脳血管障害の反復を示唆)を繰り返している。 物忘れの進行に加え、「わけもなく泣く」という感情失禁がみられ、判断力は比較的保たれている(まだら認知症)。 これらは脳血管性認知症(多発脳梗塞型認知症)の典型的な臨床像である。階段状の悪化や動揺性も特徴となる。
3. [誤り]ピック病(前頭側頭型認知症)は初老期に発病し、人格変化・行動障害が知的障害よりも先行するのが特徴である。 反社会的行動や無欲・無関心を示し、記憶や見当識は初期には比較的保たれる。本症例の感情失禁や高血圧の既往とは合致しない。
4. [誤り]プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病など)は急速に進行する認知症で、ミオクローヌスや特徴的な脳波所見(周期性同期性放電)を伴う。 数か月の経過で重篤な状態に至り、本症例のような慢性的経過とは異なる。 | 疾患 | 発症様式 | 特徴的症状 | 判断力 | |:---|:---|:---|:---| | 脳血管性認知症 | 階段状悪化 | 感情失禁・局所神経症状 | 比較的保持(まだら認知症) | | アルツハイマー病 | 緩徐進行性 | 近時記憶障害・見当識障害 | 早期から低下 | | ピック病 | 緩徐進行性 | 人格変化・脱抑制 | 初期は比較的保持 | | プリオン病 | 急速進行性 | ミオクローヌス・脳波異常 | 急速に低下 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 主な認知症の鑑別</p>
Key Points
ポイント
  • 脳血管性認知症の診断の手がかりは「高血圧などの血管危険因子」「局所神経症状」「感情失禁」「まだら認知症(判断力が比較的保持)」「階段状悪化」の組み合わせである。
  • アルツハイマー病との鑑別では、脳血管性認知症は感情失禁や局所神経症状を伴い、判断力が比較的保たれる点が重要である。
  • 重要用語: 脳血管性認知症, まだら認知症, 感情失禁 を正確に理解しておくこと。
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