1. [誤り]字を書くときに増悪する振戦は書字振戦(動作時振戦の一種)であり、本態性振戦やジストニアでみられることがある。パーキンソン病では書字時に小字症(字がだんだん小さくなる現象)がみられるが、これは振戦ではなく無動の影響によるものである。
2. [正解]パーキンソン病の振戦は安静時振戦(静止時振戦)であり、じっとしているとき(安静時)にもっとも出現しやすい。4〜6Hzの規則的な粗大なふるえで、手指の「丸薬を丸めるような」動き(pill-rolling tremor)が典型的である。随意運動を開始すると振戦は減弱・消失する。精神的緊張時には増強することがある。この安静時に出現するという特徴が、他の振戦との最大の鑑別ポイントである。
3. [誤り]何か物を取ろうとするとき(目標に手を伸ばすとき)に増悪する振戦は企図振戦(意図振戦)であり、小脳障害で特徴的にみられる。目標に近づくほど振戦が増強する点がパーキンソン病の安静時振戦とは根本的に異なる。
4. [誤り]からだの前で手を保持するとき(姿勢保持時)に出現する振戦は姿勢時振戦であり、本態性振戦のもっとも典型的な所見である。本態性振戦は高齢者に多く、アルコール摂取やβ遮断薬により軽減する。