第11章 神経疾患 / D. 基底核変性疾患
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Question
問題 1083 「78歳の男性。手がふるえ、動作が緩慢で、表情がなく、前かがみになりやすく、筋肉がこわばる。」本症例の原因で適切なのはどれか。
  1. 1錐体路障害不正解
  2. 2炎症性脱髄不正解
  3. 3ドパミン欠乏正解!
  4. 4アセチルコリン受容体障害不正解
Explanation
解説
1. [誤り]錐体路障害は大脳皮質運動野から脊髄前角細胞に至る経路の障害であり、痙性麻痺・腱反射亢進・病的反射(バビンスキー反射)が出現する。本症例のパーキンソン病は錐体外路障害であり、錐体路障害とは病態が異なる。
2. [誤り]炎症性脱髄は多発性硬化症の病態であり、中枢神経の白質に多発性の脱髄巣を形成する。視力障害、感覚障害、運動障害などの多彩な症状が空間的・時間的に多発するのが特徴で、パーキンソン病の原因ではない。
3. [正解]本症例はパーキンソン病であり、中脳黒質緻密層のメラニン含有細胞(ドパミン産生神経細胞)の変性・脱落により脳内のドパミンが欠乏することで発症する。黒質から線条体へのドパミン供給が減少すると、基底核の運動統御機構が破綻し、安静時振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害の四大症状が出現する。治療にはL-ドーパ(ドパミン前駆物質)が用いられ、欠乏したドパミンを補充する。
4. [誤り]アセチルコリン受容体障害は重症筋無力症の病態である。重症筋無力症は神経筋接合部の後シナプス膜のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により神経筋伝達が障害される自己免疫疾患であり、眼瞼下垂・複視・易疲労性が特徴で、パーキンソン病とは異なる。
Key Points
ポイント
  • パーキンソン病の原因は中脳黒質のドパミン産生神経細胞の変性によるドパミン欠乏
  • 治療はL-ドーパによるドパミン補充療法が主体
  • 錐体路障害(痙性麻痺)、炎症性脱髄(多発性硬化症)、アセチルコリン受容体障害(重症筋無力症)との鑑別が重要
  • 重要用語: ドパミン欠乏, 中脳黒質, L-ドーパ, 錐体外路, アセチルコリン受容体 を正確に理解しておくこと。
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