1. [誤り]頻脈は交感神経の興奮や甲状腺機能亢進症、心疾患などでみられる症状であり、反回神経(迷走神経の分枝)の麻痺とは直接の関連がない。迷走神経本幹の障害であれば心拍数に影響しうるが、反回神経麻痺では生じない。
2. [誤り]顔面浮腫は上大静脈症候群(肺癌や縦隔腫瘍による上大静脈の圧迫・閉塞)などでみられる症状である。反回神経の障害では浮腫は生じない。
3. [正解]反回神経は迷走神経の分枝で、喉頭筋(声帯の内転・外転に関与する筋群)を支配する。反回神経が麻痺すると声帯の運動が障害され、嗄声(しわがれ声)が生じる。左反回神経は大動脈弓の下を回るため走行距離が長く、肺癌や縦隔腫瘍、大動脈瘤などで圧迫されやすい。甲状腺手術の合併症としても知られている。
4. [誤り]ホルネル症候群は頸部交感神経の障害により縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹の三徴を呈するもので、反回神経麻痺とは障害される神経が異なる。ただし肺尖部腫瘍(パンコースト腫瘍)では反回神経麻痺とホルネル症候群が併存することがある。