1. [誤り]変形性頸椎症は50歳以上の中高年に好発する退行変性疾患であり、28歳の若年女性には考えにくい。症状はスパーリングテストやジャクソンテストで神経根圧迫を確認するが、モーレイテストやアドソンテストが陽性になることは特徴的でない。
2. [誤り]頸椎椎間板ヘルニアは20〜40代の男性に好発し、スパーリングテストやジャクソンテストが陽性となる。上肢下垂時の増悪やアドソンテスト陽性は頸椎椎間板ヘルニアの典型所見ではなく、胸郭出口症候群との鑑別が必要である。
3. [誤り]頸椎捻挫は外傷(追突事故など)を契機に発症する疾患である。本症例では外傷の既往は記載されていない。また、モーレイテストやアドソンテストは頸椎捻挫の検査法ではなく、胸郭出口症候群に特異的な検査である。
4. [正解]胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動脈・静脈が斜角筋間隙・肋鎖間隙・小胸筋後方のいずれかで圧迫されて上肢の痛み・しびれ・だるさを生じる疾患群である。28歳女性、なで肩(首が長く姿勢が悪い)、上肢下垂時の増悪は本疾患を強く示唆する。モーレイテスト(鎖骨上窩の圧迫で上肢症状を再現)とアドソンテスト(頭部を患側に回旋し深呼吸させて橈骨動脈の減弱を確認)の両方が陽性であることから、斜角筋症候群タイプの胸郭出口症候群と考えられる。