第08章 整形外科疾患 / F. 脊椎疾患
1 / 3
Question
問題 742 腰背部痛の原因で生命の危険をきたすのはどれか。
  1. 1腰部脊柱管狭窄症不正解
  2. 2子宮内膜症不正解
  3. 3尿管結石不正解
  4. 4解離性大動脈瘤正解!
Explanation
解説
1. [誤り]腰部脊柱管狭窄症は慢性的な神経症状(神経性間欠跛行、下肢痛・しびれ)を呈するが、直接生命を脅かすことはない。保存的治療または手術療法で管理可能な疾患であり、緊急性は低い。生命の危険をきたす疾患ではない。
2. [誤り]子宮内膜症は子宮内膜組織が子宮外(卵巣、ダグラス窩、腹膜など)に異所性に存在する疾患で、月経時の骨盤痛・腰痛を呈する。慢性疼痛や不妊の原因となるが、生命に危険を及ぼすことは稀である。緊急疾患ではない。
3. [誤り]尿管結石は尿管内の結石による閉塞により激しい疝痛(側腹部痛・腰背部痛)を伴うが、適切な治療(保存的治療、体外衝撃波結石破砕術、内視鏡的治療など)で改善し、生命に危険を及ぼすことは稀である。緊急性は低い。
4. [正解]解離性大動脈瘤(大動脈解離、aortic dissection)は大動脈壁の内膜が裂けて中膜内に血液が流入する緊急疾患であり、激烈な胸背部痛(引き裂かれるような痛み、tearing pain)を呈する。破裂すると大量出血により致死的となり、緊急手術が必要である。Stanford A型(上行大動脈)では約30〜40%が急性期に死亡する重篤な疾患である。腰背部痛を訴える患者では、生命を脅かす疾患として必ず鑑別に挙げる必要がある。
Key Points
ポイント
  • 解離性大動脈瘤(大動脈解離)は大動脈壁の裂開による緊急疾患であり、激烈な胸背部痛を呈し、破裂すると致死的となる
  • 腰部脊柱管狭窄症・子宮内膜症・尿管結石は疼痛を伴うが、直接生命を脅かすことは少ない慢性疾患である
  • 重要用語: 解離性大動脈瘤, 大動脈解離, 緊急疾患, 生命の危険 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶