第08章 整形外科疾患 / F. 脊椎疾患
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Question
問題 740 下部腰椎椎間板ヘルニアで認めにくい記述はどれか。
  1. 1坐骨神経痛を伴う。不正解
  2. 2ギックリ腰ではじまる。不正解
  3. 3大腿内側の知覚障害を認める。正解!
  4. 4髄核は後側方に脱出する。不正解
Explanation
解説
1. [誤り]下部腰椎椎間板ヘルニア(L4/5、L5/S1)ではL5やS1神経根が圧迫され、坐骨神経痛(殿部から大腿後面・下腿・足部への放散痛)を伴うことが多い。坐骨神経はL4〜S3神経根から構成されるため、下部腰椎ヘルニアで高頻度に出現する。認めやすい所見である。
2. [誤り]急性の椎間板ヘルニアはぎっくり腰(急性腰痛、acute low back pain)様の急性発症で始まることが多い。重量物の挙上や前屈動作などで突然の激しい腰痛と下肢痛が出現する。認めやすい臨床経過である。
3. [正解]**正しい(認めにくい記述)。** 大腿内側の知覚障害はL3-4神経根領域の障害でみられ、上部腰椎椎間板ヘルニア(L3/4椎間板ヘルニア)の所見である。下部腰椎(L4/5、L5/S1)椎間板ヘルニアでは、L5障害の場合は下腿外側〜足背、S1障害の場合は足外側〜小趾の知覚障害がみられるが、大腿内側の知覚障害は認めにくい。この記述は下部腰椎ヘルニアでは認めにくい所見である。
4. [誤り]腰椎椎間板ヘルニアでは後縦靱帯が正中部で強固なため、髄核は後縦靱帯の相対的に弱い後側方(paracentral)に脱出しやすい。L4/5椎間板ヘルニアではL5神経根、L5/S1椎間板ヘルニアではS1神経根を圧迫する。後側方への脱出は下部腰椎ヘルニアの典型的な病態であり、認めやすい所見である。 <caption>腰椎椎間板ヘルニアの高位別知覚障害領域</caption> | ヘルニア部位 | 障害神経根 | 知覚障害領域 | |------------|----------|------------| | **L3/4間**(上部) | L4神経根 | 大腿内側・下腿内側 | | **L4/5間**(下部) | L5神経根 | 下腿外側・足背・母趾 | | **L5/S1間**(下部) | S1神経根 | 足外側・小趾・足底 |
Key Points
ポイント
  • 大腿内側の知覚障害はL3-4領域の障害(上部腰椎ヘルニア)でみられ、下部腰椎(L4/5、L5/S1)ヘルニアでは認めにくい
  • 下部腰椎ヘルニアでは坐骨神経痛、急性発症(ぎっくり腰)、後側方への脱出、下腿外側や足部の知覚障害が特徴的である
  • 重要用語: 下部腰椎椎間板ヘルニア, 大腿内側知覚障害, L3-4領域, 上部腰椎 を正確に理解しておくこと。
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