1. [誤り]股関節の伸展は主に大殿筋とハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)が担当する。大殿筋は最も強力な股関節伸展筋であり、階段昇降や立ち上がり動作に重要である。トレンデレンブルグ徴候の原因となる筋は股関節外転筋であり、伸展筋ではない。
2. [誤り]股関節の屈曲しながらの外転は縫工筋(大腿筋膜張筋も関与)の作用である。縫工筋は人体で最も長い筋肉であり、股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲に作用する。しかし、トレンデレンブルグ徴候で問題となるのは片脚立位時の骨盤保持に重要な股関節外転筋であり、縫工筋ではない。
3. [誤り]股関節の内旋には中殿筋の前部線維や小殿筋も一部関与するが、中殿筋の主要な作用は内旋ではなく外転である。股関節の内旋は大腿筋膜張筋や半腱様筋・半膜様筋なども担当する。トレンデレンブルグ徴候は中殿筋の外転作用の低下により生じるため、内旋が主な問題ではない。
4. [正解]トレンデレンブルグ徴候は中殿筋(gluteus medius)の筋力低下を示す所見である。中殿筋は股関節の外転を主な作用とする筋肉であり、片脚立位時に骨盤を水平に保つ重要な役割を果たす。中殿筋が弱いと、患側で片脚立位をとった際に骨盤が健側に下降し(トレンデレンブルグ徴候陽性)、バランスをとるために体幹が患側に傾く。歩行時にはこの現象が繰り返され、揺れるような歩容(トレンデレンブルグ歩行、動揺歩行)を呈する。