1. [誤り]肩甲上神経(C5-C6由来)は腕神経叢の上神経幹から分岐し、棘上筋と棘下筋を支配する神経である。棘上筋は肩関節の外転開始、棘下筋は肩関節の外旋を担当する。肩甲骨を内転させる菱形筋を支配しないため、肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動には関与しない。
2. [誤り]肩甲下神経(C5-C6由来)は腕神経叢の後神経束から分岐し、肩甲下筋と大円筋を支配する神経である。肩甲下筋は肩関節の内旋と内転、大円筋は肩関節の伸展・内転・内旋を担当する。菱形筋の支配神経ではないため、肩甲骨の内転運動には関与しない。
3. [正解]肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動(肩甲骨の内転)の主動作筋は菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)であり、菱形筋を支配する神経は肩甲背神経(dorsal scapular nerve、C5由来)である。肩甲背神経は腕神経叢のC5神経根から直接分岐し、斜角筋の間を通って菱形筋に至る。菱形筋は肩甲骨を内転・挙上・下方回旋させる。
4. [誤り]腋窩神経(C5-C6由来)は腕神経叢の後神経束から分岐し、三角筋と小円筋を支配する神経である。三角筋は肩関節の外転・屈曲・伸展、小円筋は肩関節の外旋を担当する。菱形筋を支配しないため、肩甲骨の内転運動には関与しない。腋窩神経麻痺では三角筋の萎縮と肩関節外転障害がみられる。