第08章 整形外科疾患 / A. 総論
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Question
問題 609 「肩こり体操で両肩をすくめて5秒間保持し、脱落させる。続いて両肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動を行わせた。」両肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動の主動作筋を支配する神経はどれか。
  1. 1肩甲上神経不正解
  2. 2肩甲下神経不正解
  3. 3肩甲背神経正解!
  4. 4腋窩神経不正解
Explanation
解説
1. [誤り]肩甲上神経(C5-C6由来)は腕神経叢の上神経幹から分岐し、棘上筋と棘下筋を支配する神経である。棘上筋は肩関節の外転開始、棘下筋は肩関節の外旋を担当する。肩甲骨を内転させる菱形筋を支配しないため、肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動には関与しない。
2. [誤り]肩甲下神経(C5-C6由来)は腕神経叢の後神経束から分岐し、肩甲下筋と大円筋を支配する神経である。肩甲下筋は肩関節の内旋と内転、大円筋は肩関節の伸展・内転・内旋を担当する。菱形筋の支配神経ではないため、肩甲骨の内転運動には関与しない。
3. [正解]肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動(肩甲骨の内転)の主動作筋は菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)であり、菱形筋を支配する神経は肩甲背神経(dorsal scapular nerve、C5由来)である。肩甲背神経は腕神経叢のC5神経根から直接分岐し、斜角筋の間を通って菱形筋に至る。菱形筋は肩甲骨を内転・挙上・下方回旋させる。
4. [誤り]腋窩神経(C5-C6由来)は腕神経叢の後神経束から分岐し、三角筋と小円筋を支配する神経である。三角筋は肩関節の外転・屈曲・伸展、小円筋は肩関節の外旋を担当する。菱形筋を支配しないため、肩甲骨の内転運動には関与しない。腋窩神経麻痺では三角筋の萎縮と肩関節外転障害がみられる。
Key Points
ポイント
  • 肩甲骨を脊柱に引き寄せる運動(肩甲骨の内転)の主動作筋は菱形筋であり、その支配神経は肩甲背神経(C5)である
  • 肩甲上神経は棘上筋・棘下筋、肩甲下神経は肩甲下筋・大円筋、腋窩神経は三角筋・小円筋を支配する
  • 重要用語: 菱形筋, 肩甲背神経, 肩甲骨内転, C5神経根, 腕神経叢 を正確に理解しておくこと。
神経名起始支配筋主な作用
肩甲背神経C5神経根菱形筋肩甲骨の内転・挙上
肩甲上神経上神経幹棘上筋・棘下筋肩外転開始・外旋
肩甲下神経後神経束肩甲下筋・大円筋肩内旋・伸展
腋窩神経後神経束三角筋・小円筋肩外転・外旋
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