1. [誤り]はばたき振戦(羽ばたき振戦、flapping tremor、asterixis)は肝性脳症の特徴的な神経所見である。両手を前方に挙上・背屈させると、手首が鳥が羽ばたくような不規則な振戦を示す。肝性脳症の診断に重要な身体所見である。
2. [誤り]傾眠傾向は肝性脳症の初期段階にみられる意識障害である。軽度の意識混濁から始まり、昼夜逆転、見当識障害を経て、傾眠、昏睡へと進行する。昏睡に至る前段階として出現する重要な症状である。
3. [誤り]アンモニア口臭(肝性口臭)は肝でのアンモニア代謝障害により血中アンモニアが上昇し、呼気中に排泄されて生じる特有の甘酸っぱい臭いである。肝不全の指標となる所見で、血中アンモニア値の上昇と相関する。
4. [正解]下肢対麻痺は脊髄の両側性障害(脊髄腫瘍、脊髄炎、脊髄損傷など)でみられる症状であり、肝性昏睡(肝性脳症)の症状ではない。肝性脳症は代謝性脳症であり、局所神経症状を呈することはない。