1. [誤り]ランツ点の圧痛は胃潰瘍ではなく急性虫垂炎でみられる所見である。教科書にも「左右の上前腸骨棘を結んだ右側3分の1の位置(ランツ点)」が虫垂炎の圧痛点として記載されている。胃潰瘍の圧痛点はボアス点(第12胸椎左側)である。
2. [誤り]ブルンベルグ徴候(反跳痛)は腹腔内腫瘍ではなく腹膜炎の所見である。教科書にも「圧迫していた手を放すと痛みが増強する現象(反跳痛、ブルンベルグ徴候)」が虫垂炎における腹膜刺激症状として記載されている。壁側腹膜の炎症を示す所見であり、腫瘍の直接的な所見ではない。
3. [正解]腹水と肝硬変の組合せは正しい。肝硬変では門脈圧の亢進と低アルブミン血症(肝臓のアルブミン合成能低下)により、腹腔内に腹水が貯留する。門脈圧亢進により腸管・腸間膜の毛細血管圧が上昇し、血漿成分が腹腔内に漏出する。教科書にも食道静脈瘤の項で「肝硬変などで門脈圧が上昇する」と記載されている。
4. [誤り]蠕動不穏は麻痺性イレウスではなく機械的イレウスでみられる所見である。教科書にも機械的イレウスでは「腸雑音の異常亢進」、麻痺性イレウスでは「腸雑音の低下」と記載されている。蠕動不穏(蠕動亢進)は閉塞部より口側の腸管が強く蠕動する所見であり、麻痺性イレウスでは蠕動は減弱・消失する。