第02章 消化管疾患 / B. 食道疾患
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Question
問題 117 「70歳の男性。嚥下障害と体重減少で来院し、食道癌と診断された。さらに右眼瞼下垂と縮瞳が認められた。」本症例にみられる合併症はどれか。
  1. 1上大静脈症候群不正解
  2. 2反回神経麻痺不正解
  3. 3顔面神経麻痺不正解
  4. 4ホルネル症候群正解!
Explanation
解説
1. [誤り]上大静脈症候群は上大静脈の圧迫・閉塞により生じる症候群で、顔面・上肢の浮腫、頸部静脈怒張、頭痛などが特徴である。食道癌が上大静脈を圧迫した場合にみられるが、眼瞼下垂・縮瞳とは異なる症状である。肺癌や縦隔腫瘍でも生じる。
2. [誤り]反回神経麻痺は食道癌が反回神経に浸潤して声帯が動かなくなる状態であり、嗄声(しわがれ声)が主症状である。眼瞼下垂・縮瞳の原因ではない。反回神経麻痺の出現は切除不能の進行癌を示唆する重要な所見である。
3. [誤り]顔面神経麻痺は第VII脳神経(顔面神経)の障害により表情筋の麻痺をきたす状態であり、ベル麻痺やラムゼイ・ハント症候群などで生じる。眼瞼下垂・縮瞳の原因ではなく、食道癌とは関連しない。
4. [正解]症例の右眼瞼下垂と縮瞳から、ホルネル症候群(Horner症候群)の合併が考えられる。ホルネル症候群は交感神経障害により生じる症候群で、3徴として縮瞳(瞳孔縮小)・眼瞼下垂・眼球陥凹(および顔面の発汗低下)がみられる。食道癌が縦隔内の交感神経に浸潤して発生する。パンコースト腫瘍(肺尖部癌)でもみられる。
Key Points
ポイント
  • ホルネル症候群の3徴:縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹(交感神経障害)
  • 食道癌の浸潤症状:ホルネル症候群(交感神経)、嗄声(反回神経)、徐脈(迷走神経)、上大静脈症候群
  • 症例の眼瞼下垂+縮瞳はホルネル症候群を強く示唆する組合せ
  • 重要用語: ホルネル症候群、縮瞳、眼瞼下垂、交感神経障害 を正確に理解しておくこと。
症候群原因主な症状
ホルネル症候群交感神経障害縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥凹
上大静脈症候群上大静脈圧迫顔面浮腫、頸部静脈怒張
反回神経麻痺反回神経浸潤嗄声
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