1. [誤り]食道癌が周囲組織に浸潤して反回神経を巻き込むと、声帯が動かなくなり嗄声(させい:しわがれ声)をきたす。特に左反回神経は大動脈弓の下を回るため障害されやすく、嗄声は食道癌の重要な浸潤症状である。嗄声の出現は切除不能の進行癌を示唆する。
2. [誤り]食道癌による食道狭窄が高度になると、食物が食道を通過できず気道に誤嚥される。その結果、嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)を併発する。また、食道・気管支瘻を形成すると嚥下のたびに気管に食物が流入し、重症の嚥下性肺炎を起こす。
3. [正解]脾腫は食道癌では通常みられない。脾腫は門脈圧亢進症(肝硬変など)による脾臓のうっ血性腫大や、血液疾患(白血病、悪性リンパ腫、溶血性貧血など)、感染症(マラリア、敗血症など)でみられる所見である。食道癌とは病態的に関連がない。
4. [誤り]食道癌の腫瘍表面は脆弱で易出血性であり、びらんや潰瘍から出血して吐血がみられることがある。また、食道癌が大動脈に浸潤すると大出血を起こし、致命的な大量吐血をきたすことがある。出血は食道癌の重要な合併症である。