第11章 神経疾患 / D. 基底核変性疾患
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Question
問題 1080 「70歳の男性。右手足がふるえ、動作が緩慢となり受診した。顔面は無表情で、立位では前かがみであった。認知症はない。」本症例の主な障害部位はどれか。
  1. 1大脳皮質不正解
  2. 2視床不正解
  3. 3小脳不正解
  4. 4黒質正解!
Explanation
解説
1. [誤り]大脳皮質の障害はアルツハイマー型認知症や脳卒中でみられるが、本症例では認知症はなく、振戦・動作緩慢・仮面様顔貌・前傾姿勢というパーキンソン病の典型的症状を呈しているため、大脳皮質は主な障害部位ではない。
2. [誤り]視床は感覚情報の中継核であり、視床の障害では対側の感覚障害や視床痛がみられる。本症例の運動症状(振戦・無動・前傾姿勢)は視床障害では説明できない。
3. [誤り]小脳の障害では運動失調(企図振戦・測定障害・失調性歩行・構音障害)が出現する。小脳障害による企図振戦は目標物に手を近づけるほど増強するもので、パーキンソン病の安静時振戦とは性質が異なる。
4. [正解]本症例の症状(安静時振戦・動作緩慢=無動・仮面様顔貌・前傾姿勢)はパーキンソン病の四大症状に合致する。パーキンソン病は中脳黒質緻密層のメラニン含有細胞(ドパミン産生神経細胞)の変性・脱落が原因であり、残存細胞内にはレビー小体が出現する。黒質から線条体へのドパミン供給が減少し、基底核の運動統御機構が破綻して特有の錐体外路症状を呈する。
Key Points
ポイント
  • パーキンソン病の障害部位は中脳黒質緻密層のドパミン神経細胞
  • 黒質の変性により線条体へのドパミン供給が減少し、錐体外路症状が出現
  • 小脳障害では運動失調・企図振戦が出現し、安静時振戦とは鑑別が必要
  • 重要用語: 黒質, ドパミン, レビー小体, 線条体, 錐体外路 を正確に理解しておくこと。
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