第08章 整形外科疾患 / A. 総論
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Question
問題 618 次の症例について、「17歳の男子。バイク走行中に転倒し救急搬送。ヘルメットの右外側に傷があり、右肩に外傷がある。右上肢は自動運動不能で知覚異常を認めた。意識は清明、独歩可能、脳神経に異常はない。」診断に有用性が最も低いのはどれか。
  1. 1CT検査不正解
  2. 2MRI検査不正解
  3. 3筋電図検査不正解
  4. 4超音波検査正解!
Explanation
解説
1. [誤り]CT検査は骨折や頸椎損傷の有無を迅速に評価でき、腕神経叢引き抜き損傷に伴う横突起骨折、鎖骨骨折、肩甲骨骨折などの骨性損傷を検出できるため有用である。外傷初期の救急診断では頻用される。
2. [誤り]MRI検査は腕神経叢の直接的な描出と神経根の状態評価に最も有用な画像検査である。神経根の引き抜き損傷(偽性髄膜瘤の形成)、神経の連続性、浮腫や出血などを詳細に評価できる。診断確定と治療方針決定に不可欠である。
3. [誤り]筋電図検査(針筋電図と神経伝導検査)は神経損傷の部位・程度・重症度の評価に有用であり、脱神経所見の確認、神経支配筋の障害範囲の特定、予後判定(神経再生の有無)に用いられる。受傷後3〜4週以降に施行する。
4. [正解]超音波検査は本症例の診断に対して有用性が最も低い。右肩への外傷後に右上肢の自動運動不能と知覚異常を認めることから、バイク転倒時の衝撃による腕神経叢損傷(特に引き抜き損傷)が強く疑われる。超音波検査は表在性の軟部組織や末梢神経の観察には有用だが、腕神経叢のような深部の神経構造の詳細な評価は困難であり、神経根引き抜き損傷の診断精度は他の検査(特にMRI)に比べて著しく劣る。
Key Points
ポイント
  • 腕神経叢損傷はバイク事故での転倒時に頭頸部と肩が反対方向に強く引き離されることで発生しやすい。上位型(C5-C6)、下位型(C8-T1)、全型などに分類される。
  • 診断には神経学的所見(運動麻痺と知覚障害の分布パターン)、画像診断(MRI、CT)、電気生理学的検査(筋電図)を組み合わせる。
  • 重要用語: 腕神経叢損傷、MRI検査、筋電図検査 を正確に理解しておくこと。
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